解説(ビニルエステル樹脂)
(エポキシアクリレート樹脂)
外観も、使い方も、不飽和ポリエステルと見分けがつきません。不飽和ポリエステルの一種と考えてもよいくらいです。ベース樹脂は、エポキシ樹脂のエポキシ基の部分をアクリル化したものである為、エポキシアクリレートともいいます。
大日本インキのカタログでは、エポキシ樹脂の一種として分類しています。
どのメーカーものであれ、性質も使い方もすべて同一です。
原理的には、あらゆるエポキシ樹脂から出来ますが、普通の用途に使うのは、ビスフェノールAエポキシから作った“ビス系ビニルエステルと、ノボラック型エポキシから作った“ノボラック系ビニルエステルです。不飽和ポリエステル樹脂と比べると、一般的に耐蝕性は良いのですが・・
保存性が悪いのが最大の欠点です。硬化助剤のコバルトを加えると、保存性が更に悪くなるので、これを加えずに販売されています。(だから使う時、自分で加えないといけません)
大日本インキのカタログでは、エポキシ樹脂の一種として分類しています。
どのメーカーものであれ、性質も使い方もすべて同一です。
原理的には、あらゆるエポキシ樹脂から出来ますが、普通の用途に使うのは、ビスフェノールAエポキシから作った“ビス系ビニルエステルと、ノボラック型エポキシから作った“ノボラック系ビニルエステルです。不飽和ポリエステル樹脂と比べると、一般的に耐蝕性は良いのですが・・
保存性が悪いのが最大の欠点です。硬化助剤のコバルトを加えると、保存性が更に悪くなるので、これを加えずに販売されています。(だから使う時、自分で加えないといけません)
(他に、臭素化エポキシから作ったタイプがあり、難燃、耐酸化性用途に使います。その他、高耐熱型等、いくつか特殊型がありますが、一般的ではないので省略します。)
ビス系VE
| ノボラック系VE
| (参考)イソポリ
| |
大日本インキ
| ディックライトUE3505
| ディックライトUE5210
| ポリライトFH286
|
日本ユピカ
| ネオポール8250L
| ネオポール8411L
| ユピカ4516P
|
昭和高分子
| リポキシR802等
| リポキシH600等
| リゴラック150HR
|
三井化学
| エスターH6500
| エスターH8000
| エスターR280
|
固め方
準備として、まず最初にナフテン酸コバルトを0.5%程度、樹脂に加えてよく混ぜておきます。それに改めて硬化剤を加えます。
手順を守らないと火災になります。(理由は以下)
手順を守らないと火災になります。(理由は以下)
硬化機構
不飽和ポリエステルとビニルエステル樹脂は、次のメカニズムで硬化します。
まず、硬化剤である有機過酸化物が、コバルトイオンの触媒作用で分解され、フリーラジカルという状態のものになります。 これは、その名の通り、気ままで過激な暴走族みたいな状態であり、近くに二重結合があれば、どこにでも飛び込み、くっつきます。 くっつかれた方は、またラジカルに変わり、また別の二重結合に飛び込みます。 飛び込まれた方はまたラジカルに変わり・・・こうしてバタバタと、ドラキュラの物語のように、ラジカルが伝染してゆき 二重結合を持ったもの同士がつながっていきます。 最後にラジカル同士が衝突してつながると、そこでラジカル状態はパッと消えます。 これが硬化メカニズムです。
このように、不飽和ポリエステルや ビニルエステルの硬化は、過酸化物分解反応、ラジカルの伝播反応(ラジカル重合反応)、停止反応の三つが複合したものです。
高濃度の過酸化物とコバルトイオンを直接混ぜると、分解反応が、暴走します。
だから、まずコバルトを樹脂に混ぜて薄めておき、その後過酸化物(硬化剤・・・商品名:パーメック等)を加えないと いけないのです。
高濃度の過酸化物とコバルトイオンを直接混ぜると、分解反応が、暴走します。
だから、まずコバルトを樹脂に混ぜて薄めておき、その後過酸化物(硬化剤・・・商品名:パーメック等)を加えないと いけないのです。
(その理由により、両者を一緒に保管するのは危険です。必ず別々に保管すること。)
●オオチャクをして、硬化剤とコバルトを一緒に放り込み、入れたとたんに “ボンッ” と煙が出てきて、裸足で逃げ出すという事件と
●コバルトを入れ忘れて、待てど暮らせど固まらない、という事件は
ビニルエステルを使うとき最もポピュラーです。(実は私もやりました。)
・・うっかりやらないよう気をつけましょう・・
・・うっかりやらないよう気をつけましょう・・