水と接着
大抵の場合・・・水は接着の天敵です。
例えばガラス・・・市販のエポキシ接着剤で接着できます。
昔は、“接着できるもの”の中にガラスも表記してありました。
しかし、今は表記してないのが普通です。
・・・多分、クレームが怖いからでしょう。
普通のエポキシ接着剤でガラスを接着し、水中にじっと保持したら・・・・
あるいは、水槽のガラスをエポキシ接着剤で修理したら・・・
いつか、”剥がれ”というトラブルが起きます。
昔は、“接着できるもの”の中にガラスも表記してありました。
しかし、今は表記してないのが普通です。
・・・多分、クレームが怖いからでしょう。
普通のエポキシ接着剤でガラスを接着し、水中にじっと保持したら・・・・
あるいは、水槽のガラスをエポキシ接着剤で修理したら・・・
いつか、”剥がれ”というトラブルが起きます。
そのメカニズムを説明します。
さて、接着剤と被着体間の接着力は、接着試験器で測定します。
例えば、上の写真のように試験片を接着しておいて、矢印の方向に引っ張って、100kg/cm2の力で壊れたら、この接着力は100kg/cm2である・・・と表記するわけです。
しかし、厳密に言えば、これは接着力を計測しているのでは無く、
(いろいろな要素が複雑に複合した)耐破壊力を測定しているだけのことです。
真の接着力(?)がどのくらいあるか・・・それは、今のところ計測手段がありませんが、“真の接着力に近いんじゃないか?”・・・と言われている測定法があります。
例えば、上の写真のように試験片を接着しておいて、矢印の方向に引っ張って、100kg/cm2の力で壊れたら、この接着力は100kg/cm2である・・・と表記するわけです。
しかし、厳密に言えば、これは接着力を計測しているのでは無く、
(いろいろな要素が複雑に複合した)耐破壊力を測定しているだけのことです。
真の接着力(?)がどのくらいあるか・・・それは、今のところ計測手段がありませんが、“真の接着力に近いんじゃないか?”・・・と言われている測定法があります。
①被着体表面を厳密にキレイにし
②そこに接着剤をのせる
すると、その瞬間に親和熱が発生するので・・
③その熱量を測定する
という、方法です。
つまり、接着力をカロリーで表現し、もし、10カロリーの熱量が発生したとしたら、その結合を切るには、10カロリーのエネルギーが必要だ。・・・という考え方です。
カロリーが大きいほど強い接着剤である、という考え方です。
②そこに接着剤をのせる
すると、その瞬間に親和熱が発生するので・・
③その熱量を測定する
という、方法です。
つまり、接着力をカロリーで表現し、もし、10カロリーの熱量が発生したとしたら、その結合を切るには、10カロリーのエネルギーが必要だ。・・・という考え方です。
カロリーが大きいほど強い接着剤である、という考え方です。
そうやって、いろいろな接着剤や物質の親和熱が測定されました。
・・・その結果、ガラスや金属に対するぶっちぎり最強の接着剤(?)は何だったか?
・・・その結果、ガラスや金属に対するぶっちぎり最強の接着剤(?)は何だったか?
水だったのだそうです。
これによって、接着剤でくっつけたガラスが、水中で徐々に接着力を失っていく理由が明らかになりました。
つまり、接着剤とガラスの接着界面に水が割り込んで来るのです。
そうなると、これを何とかしない限り、ガラスや金属の接着物をウカウカと水にあるところには出せません。自動車のタイヤコードとゴムの接着、飛行機のジュラルミンのハニカムの接着・・・あるいは何であれそういうものの接着は、いかにして水の影響を排除するか・・・がキーテクノロジーなのです。
例えばフレークライニング材に充填するガラスフレークの表面に、シランカップリング剤を結合させるのは、(樹脂との)接着界面への水の浸入を阻止するのが目的です。
(ちなみに、このテクニックはガラスへの耐水性接着や、耐水性塗装にも使えます。)
つまり、接着剤とガラスの接着界面に水が割り込んで来るのです。
そうなると、これを何とかしない限り、ガラスや金属の接着物をウカウカと水にあるところには出せません。自動車のタイヤコードとゴムの接着、飛行機のジュラルミンのハニカムの接着・・・あるいは何であれそういうものの接着は、いかにして水の影響を排除するか・・・がキーテクノロジーなのです。
例えばフレークライニング材に充填するガラスフレークの表面に、シランカップリング剤を結合させるのは、(樹脂との)接着界面への水の浸入を阻止するのが目的です。
(ちなみに、このテクニックはガラスへの耐水性接着や、耐水性塗装にも使えます。)
[もう一つの問題]
さて、そうなると”ガラスや金属などの親水性物質の表面には常に水が吸着されているのではないか?”という疑問が生じます。
だから、これらを接着したとき、『本当は何にくっつけているんだろうか? ひょっとして水にくっつけているんじゃないだろうか?』という疑問が浮びます。
事実、そういう接着理論もあるのです。
だから、これらを接着したとき、『本当は何にくっつけているんだろうか? ひょっとして水にくっつけているんじゃないだろうか?』という疑問が浮びます。
事実、そういう接着理論もあるのです。
「現実はもっと複雑」
しかし、現実の被着体表面はそれよりもっと複雑です。特に工事現場等は、“何が吸着されているのか、わかったもんじゃない!下地の材質がどう変化しているかも、わかったもんじゃない!”
という状況です。
表面で、いろいろな事が起こり、時間とともに変化するとなると、単純な接着理論は適用出来ません。(実際、役に立ちません。)
ファジーで混沌とした経験技術の世界です。
という状況です。
表面で、いろいろな事が起こり、時間とともに変化するとなると、単純な接着理論は適用出来ません。(実際、役に立ちません。)
ファジーで混沌とした経験技術の世界です。
防蝕ライニング等のような現場接着というのは、そういうものです。*
*このホームページで、“我々はこうやった、こうなった、こう考える”という経験論に重きを置いているのは、こういう世界では、それだけが情報として意味を為すと感じているからです。)
*(だからこそ、現場では下地処理等、やるべきこと全てを徹底的にやり、無数の不安定要因の除去に努めないといけません。・・・複雑だから適当でいいと言うことではありません。くれぐれも誤解無きように・・)