粘着工法
粘着工法とは、防蝕被覆を下地に粘着させる工法です
防蝕ライニングは、通常は接着方式で行います。
接着方式の長所は (防蝕膜と下地が強く一体化した複合体になる事によってカミさん効果が生じるため)防蝕膜が 独立した強度を持つ必要がない、 という点と、下地と防蝕膜が接着しているため (膜を透過してくるものや、界面を拡散してくるものを除き)、両者の界面 にどんなものも 侵入できない、という点です。
短所は、接着しているが故に、下地が割れると 共割れする事。もう一つは、剥がれというトラブルが発生することです。
接着方式において 接着“力”が果たす役割
接着方式における“接着”の役割は、
①“下地の強度で防蝕膜を補強する効果”(=カミさん効果)を生じさせる。
②防蝕膜を下地から脱落させない。
③下地表面をシールする。
の三つです。
①“下地の強度で防蝕膜を補強する効果”(=カミさん効果)を生じさせる。
②防蝕膜を下地から脱落させない。
③下地表面をシールする。
の三つです。
さて、接着は、熱膨張率が異なる下地と防蝕膜を“強引に”一体化させ、同一の伸び縮みをさせます。 その結果、両者の界面にストレスが発生します。それは剥れを助長します。
(剥がれと界面応力:参照)
つまり、防蝕膜が頑丈になればなるほど、カミさん効果のメリットが薄れ、界面応力が増大して剥がれの危険性が増す、という事です。
ところで、上記三つのうちカミさん効果だけはきちんとした接着“力”が必要ですが、あとの二つに接着“力”は要りません。
ところで、上記三つのうちカミさん効果だけはきちんとした接着“力”が必要ですが、あとの二つに接着“力”は要りません。
粘着方式というのは
カミさん効果が不必要な状況なら、接着“力”は 界面応力を発生させるだけの有害無益な要素である、と考え、接着の代わりに、粘着を用いることによって、界面応力をゼロにして、究極の接着安定性を確保しよう というコンセプトです。
(防蝕ライニングを 剥がれ難くするテクニックとして、第一層に 軟質樹脂を使う仕様が有りますが、その考え方を徹底させた物、とも言えます。)
百年の耐久性を持つ防蝕ライニングは どんな形になるのか・・・というテーマに対して、私たちが作った ひとつのモデルです。
具体例として
(ペネトシールライニング を参照してください。)
(ペネトシールライニング を参照してください。)