耐蝕樹脂について
防蝕用の樹脂について
防蝕材には、聞きなれない名前や難しそうな能書き等が付けられ、シロート衆に恐怖感を与えていますが・・実は・・大抵は大したモノじゃ無いんです。
塗料や防蝕材メーカーは、大抵の場合、化学合成メーカーから原料樹脂を仕入れて、塗料や防蝕ライニング材に加工しています。
(概ね、流動性を調整して色を付ける、といった程度の加工です)
大抵の施工屋さんは、それを買って使っています。
が、特定の目的のために加工された、市販の防蝕材や床材等には、実質的に それ以外の使い道はありませんから、工場メンテナンスのように、不特定の対象を臨機応変に色々な方法で修理するときには、既加工品は不便です。
(ハッキリ言って、使い物になりません。)
が、特定の目的のために加工された、市販の防蝕材や床材等には、実質的に それ以外の使い道はありませんから、工場メンテナンスのように、不特定の対象を臨機応変に色々な方法で修理するときには、既加工品は不便です。
(ハッキリ言って、使い物になりません。)
特殊な物性が要求される箇所の修理に、特殊な製品を買うのは止むを得ないとしても、個々のメンテナンスに合わせて別々の材料を買っていれば、長い間に使い残しのゴミが際限なく増えてしまいます。
で、言いたいのは・・・“その程度の加工は自分でやりましょう”・・という事です。
ここで解説するのは、その最終製品になる前の原料樹脂です。
「これに好みに合わせ、いろいろな混ぜ物を加えて作業性を調整すれば、塗料や防蝕材になります」。
・・普通の樹脂ライニングなら、ダレ止めを混ぜる加減さえ出来れば、それで充分です。 ・・・つまり・・・
樹脂とダレ止めの使い方をマスターすれば、防蝕材も接着剤もメンテナンス材も“自分で好きなように”作れます。
それを使って修理をする! 多少、手間が増えるけど、何たって自由度が大きいので、いろんな事が出来ます。
当然、使い残しも、また別の用途に加工出来ます。
畑違いの業界用語は、苦痛かもしれませんがが、ダマサレタと思って読んでください。
とりあえず、一つの樹脂が使えれば十分ですから全部読む必要はありません。
・・余談ながら・・
私達は創業以来、「施工に使う材料は、原料以外は全て自社で作る」というスタイルでやっています。
弊社の施工対象が化学プラント、石油プラント、食品工場等色々で、材料に対する要求物性が千差万別なので、一般市販品では対処出来ない、という理由に加え、受注形態が、 “設計も施工も検査も一任して頂き、その結果に対して責任を取る” という様式なので、材料物性をある程度完全に把握しておかないと仕事にならない・・という事情があるからです。
弊社の施工対象が化学プラント、石油プラント、食品工場等色々で、材料に対する要求物性が千差万別なので、一般市販品では対処出来ない、という理由に加え、受注形態が、 “設計も施工も検査も一任して頂き、その結果に対して責任を取る” という様式なので、材料物性をある程度完全に把握しておかないと仕事にならない・・という事情があるからです。
【実際の樹脂ライニングにはどんな樹脂が使われているのか?】
特殊な客の特殊な要望に応え、施工の内容や実績も一切公表しない・・といった特別なケース等には本当に特殊な材料が使われる事がありますが、(但し、大抵の汎用品メーカーは、特殊な製品は作っていません)そういうオタッキーな材料はごく例外であり、普通目に触れる世界で(塗布型の)樹脂ライニングに使用される樹脂はエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、(あと、フラン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂程度)だけです。
(他に塩ビやポリエチレン等の熱可塑性樹脂やゴムのシート等を使うシートライニングがあります。 施工方法が異なります。)
(他に塩ビやポリエチレン等の熱可塑性樹脂やゴムのシート等を使うシートライニングがあります。 施工方法が異なります。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・重ねて余談ながら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
樹脂と充填材の混合物の耐蝕性は、原料樹脂だけで決まります
例えば、アルカリで加水分解される不飽和ポリエステル樹脂に耐アルカリ性のカーボンを混ぜようとセラミック粉やステンレス粉を混ぜようと、金粉やダイヤモンド粒を混ぜようと、樹脂自身の耐アルカリ性(の弱さ)は、何も変化しません。
バインダーである樹脂が劣化してしまったら、混合物も崩壊しますので、“ガラスフレークを混ぜたから、ガラス並の耐食性になるとか、セラミック粉を混ぜたからセラミックのような耐蝕性が加わる・・という事は起り得ません。
(逆に・・“樹脂より耐蝕性が悪い”充填材を混ぜて、全体の耐蝕性が下る、事は有り得ます。)
バインダーである樹脂が劣化してしまったら、混合物も崩壊しますので、“ガラスフレークを混ぜたから、ガラス並の耐食性になるとか、セラミック粉を混ぜたからセラミックのような耐蝕性が加わる・・という事は起り得ません。
(逆に・・“樹脂より耐蝕性が悪い”充填材を混ぜて、全体の耐蝕性が下る、事は有り得ます。)
・・充填材を混ぜる事によって、耐食性が“若干”変る特殊なケースはありますが・・
一般的には、充填材を混ぜる事によって変るのは、環境遮断性、粘性、線膨張率、比重、物理的強度、材料単価、等です。充填材は基本的に、それらを改変する目的で加えます。
一般的には、充填材を混ぜる事によって変るのは、環境遮断性、粘性、線膨張率、比重、物理的強度、材料単価、等です。充填材は基本的に、それらを改変する目的で加えます。
(しつこいようですが・・“耐蝕性”は変化しません。)
そういう事なので、ステンレス並の耐食性を持つステンレス粉入り塗料・・とか、セラミック粒を混ぜる事でセラミック並に耐食性が向上した樹脂モルタル・・等という一部市販材料のキャッチコピーは、“正確に言えばウソ”・・です。
(但し、世間では、専門家と称している人たちでも、防蝕性能と耐蝕性をゴチャ混ぜに考えている人が多いので、ウソとは意識していないかもしれません。)
(但し、世間では、専門家と称している人たちでも、防蝕性能と耐蝕性をゴチャ混ぜに考えている人が多いので、ウソとは意識していないかもしれません。)
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