毒性・安全性・環境負荷に関するおしらせ
スチレンモノマー
防蝕樹脂ライニング用材料に関し、現在、最も問題視されているのは、「スチレンモノマー」(発がん性の疑い)と、「ビスフェノールA」(環境ホルモン)です。
スチレンモノマーとは、カップめんの容器から 溶出するとか、しないとか 論争されたアレです。(発泡スチロールというのは、スチレンモノマーを単独重合して作ったポリスチレン樹脂を、発泡させたものです。)
そして、売られている不飽和ポリエステル樹脂や、ビニルエステル樹脂は、実際は同量くらいのスチレンモノマーとの混合物であり、これが共重合して固まるわけですから、スチレンモノマーが 溶出する しないの論争は、当然ここにも及ぶわけです。
結論を先にいうと、(工場生産の発泡スチロールに関しては何も知りませんが)、防蝕ライニングの膜からは、多少、溶出しているハズです。
作って 何年も経ったFRPを バキッと割ると、かすかに、スチレンモノマーの臭気がします。 つまり、未反応モノマーが、残存している証拠です。
ただし、何年も経ってまだ残っているということは、現実は ほとんど溶出していない、という証拠にも なるわけです。
作って 何年も経ったFRPを バキッと割ると、かすかに、スチレンモノマーの臭気がします。 つまり、未反応モノマーが、残存している証拠です。
ただし、何年も経ってまだ残っているということは、現実は ほとんど溶出していない、という証拠にも なるわけです。
ところで、何であれ、あまりに微量の場合は、普通の測定器では検出できませんが、食品のテイスターの人たちは、楽々と検知します。 だから、味にうるさいウイスキーやビールのタンクに、不飽和ポリエステルやビニルエステルのライニングをするとオオゴトになります。(味噌や醤油は、何とかOKだそうです。)
・・・ということは、やっぱり溶出している証拠です。 ただ、この量を問題と考えるか、問題では無いと考えるかは、人それぞれの、哲学の問題かも知れません。
・・・ということは、やっぱり溶出している証拠です。 ただ、この量を問題と考えるか、問題では無いと考えるかは、人それぞれの、哲学の問題かも知れません。
ビスフェノールA
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンを縮合させたビスフェノールA型エポキシ樹脂や、それを加工したビニルエステル樹脂等から、はたしてビスフェノールAが溶出するかどうか?というテーマです。
こんな問題は、議論してもしょうがありません。 測定して判断すべき事です。
理屈上は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビニルエステル樹脂から、ビスフェノールAが分離して溶出する事は 有り得ませんが、化学製品というのは必ず不純物を含み、その中にビスフェノールAが残存して、溶出してくる可能性はあり得ます。
理屈上は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビニルエステル樹脂から、ビスフェノールAが分離して溶出する事は 有り得ませんが、化学製品というのは必ず不純物を含み、その中にビスフェノールAが残存して、溶出してくる可能性はあり得ます。
(だから、四の五の言わず、測定するしかないんです。 そして、出なければOK、出ればダメよ・・・とキッパリ結論すればよい・・・ハズなんですけど・・世の中、簡単に そうはなりません。 「もし、なんかあったらどうするの~?」 などと、だれも絶対答えようがない設問をする人が出たり・・・
そんな、回りくどい漠然とした言い方 しないで、「この測定だけでは、安心できん! コレとコレとコレもやれ!」とか、「測定結果は信用できん!」とか、具体的に言えば答えようがあるのに。・・・いつも分らず屋に泣かされている技術屋の愚痴・・・
そんな、回りくどい漠然とした言い方 しないで、「この測定だけでは、安心できん! コレとコレとコレもやれ!」とか、「測定結果は信用できん!」とか、具体的に言えば答えようがあるのに。・・・いつも分らず屋に泣かされている技術屋の愚痴・・・
さて不純物の量についてです。 エポキシ樹脂は、合成後、洗浄しますが、コストの問題も絡むので、どこも、必要以上には、やりません。
例えば、大抵のメーカーで 品名にEという記号が入っているのは、エレクトロニクス用であり、塩素等の電解質イオンを徹底的に取り除く洗浄をしたものです。(余計なコストが掛かるけど、やらないと客が買わないから、やるだけです。)
例えば、大抵のメーカーで 品名にEという記号が入っているのは、エレクトロニクス用であり、塩素等の電解質イオンを徹底的に取り除く洗浄をしたものです。(余計なコストが掛かるけど、やらないと客が買わないから、やるだけです。)
こういった精製に関わる事情は、すべての工業製品に共通しています。
どんな不純物が、どれくらい混ざっているか・・・
それは、たいていの場合カタログからはわかりません。
どんな不純物が、どれくらい混ざっているか・・・
それは、たいていの場合カタログからはわかりません。
ただ、エポキシのビスフェノールAに関しては、私自身は心配するレベルではないと思っています。まず、もし多少混ざっていたとしても、分子が大きくビスAエポキシと相溶性が高いので、硬化物から溶出してくることはほとんど無い。と考えているからです。
(飲料水用材料テストでは、この項目の検出テストがありますので、合格したものは、OKということですが、ここで話しているのは、それ以下のレベルの溶出のことです。)
(飲料水用材料テストでは、この項目の検出テストがありますので、合格したものは、OKということですが、ここで話しているのは、それ以下のレベルの溶出のことです。)
ただ、我々(ソテック)としては、念のためということで、使う物を20年前から「ビスフェノールF」タイプに切り替えています。
「何かあったら~?」という人たちを、説得するのは不可能とあきらめて、白ハタを上げた意味もありますが、環境ホルモンというのは、ある意味で毒物より性質が悪いと考えるからです。
皆さんも、心配ならそうしてください。
皆さんも、心配ならそうしてください。
ビスFは、ビスAと構造が少し違います。(分子中央部の二つのメチル基が、水素に代わったものです。)
価格が高く、反応速度が少し遅くなる傾向があるのですが、粘度は少し低くなります。
価格が高く、反応速度が少し遅くなる傾向があるのですが、粘度は少し低くなります。
ノニルフェノール
これも今や有名な環境ホルモンです。
合成洗剤の原料であり、その製品への残留が問題とされていますが。・・・
実は、エポキシ樹脂の反応促進剤としても、大変ポピュラーな化合物なんです。
樹脂に10%くらい添加して使います。
合成洗剤の原料であり、その製品への残留が問題とされていますが。・・・
実は、エポキシ樹脂の反応促進剤としても、大変ポピュラーな化合物なんです。
樹脂に10%くらい添加して使います。
もちろん、(飲料水試験にパスしなくなるので)飲料水用などには使いませんが、ライニング材や接着剤の、希釈剤兼反応促進剤 としてよく使われていました。
(現在形で表現すべきかも知れません。)
クレゾール等、フェノール類は大抵、エポキシの反応促進剤になります。
だから、硬化剤メーカーで、だまって、これらや 別種の促進剤を添加しているものが、たくさんあります。 どのメーカーも、その情報は非公開ですから、技術資料にもどこにも載っていません。
これは、使う側からすれば、困った事ですから、我々はフォーミュレーション技術と 交換したり、拝み倒したり、酒に酔わせたり、「よそから買うぞ」と脅したり、あの手この手で、メーカーの技術屋から、それを引っ張り出すようにしています。
(もったいぶらずに、初めからカタログに入れておいてくれればいいのに・・・)
(現在形で表現すべきかも知れません。)
クレゾール等、フェノール類は大抵、エポキシの反応促進剤になります。
だから、硬化剤メーカーで、だまって、これらや 別種の促進剤を添加しているものが、たくさんあります。 どのメーカーも、その情報は非公開ですから、技術資料にもどこにも載っていません。
これは、使う側からすれば、困った事ですから、我々はフォーミュレーション技術と 交換したり、拝み倒したり、酒に酔わせたり、「よそから買うぞ」と脅したり、あの手この手で、メーカーの技術屋から、それを引っ張り出すようにしています。
(もったいぶらずに、初めからカタログに入れておいてくれればいいのに・・・)
ノニルフェノールに関して、もう一つ追加すると、
道路のアスファルトの改質剤として 樹脂を使うテクニックは、いろいろと工夫されています。 エポキシ樹脂も その代表なんですが、タールの場合と異なり、あいにく アスファルトとエポキシ樹脂は、うまく混ざりません。 そのとき、ノニルフェノールを添加すると、スンナリ混ざってしまうのです。(こういう使い方を相溶化剤といいます。)
そういう使われ方もあります。
道路のアスファルトの改質剤として 樹脂を使うテクニックは、いろいろと工夫されています。 エポキシ樹脂も その代表なんですが、タールの場合と異なり、あいにく アスファルトとエポキシ樹脂は、うまく混ざりません。 そのとき、ノニルフェノールを添加すると、スンナリ混ざってしまうのです。(こういう使い方を相溶化剤といいます。)
そういう使われ方もあります。
フェロモン
屋外でいろいろな樹脂を使っていると、特定の蝶や蚊やハエや蜂が飛んでくることが、よくあります。同じ種類ばかり集まってくるところを見ると、なにかフェロモンの働きをするものが混ざっているのかも知れません。
施工したばかりの物に、ペタペタとくっつかれて、我々は 大迷惑ですが、よそに 害を及ぼす可能性は無さそうです。
施工したばかりの物に、ペタペタとくっつかれて、我々は 大迷惑ですが、よそに 害を及ぼす可能性は無さそうです。
硬化したものにはよって来ません。
リサイクル
熱硬化性の樹脂は、(熱をかけても元に戻らないので)再利用ができません。
何か別の使い道を見つけない限り、埋め立てか、燃やすくらいが 関の山です。
何か別の使い道を見つけない限り、埋め立てか、燃やすくらいが 関の山です。
不飽和ポリエステルFRPの漁船などは、燃やすと真っ黒の大量の煙を発生しますし、酸素を十分に供給して燃やすと、高熱が出て炉を傷めるとかで、嫌われ者らしいです。
かくて、引き取り手がないので、漁船などは、漁礁を創る と称して、海に沈めています。
ウレタン
これも燃やすと青酸ガスが出るとかで、埋め立てくらいしかないようです。
塩ビ
過度なくらい、叩かれています。 でも、防蝕屋の目で見ると、惚れ惚れするくらい 良い材料です。 コスト、加工性、耐酸、耐アルカリ、耐酸化性・・。
高温で処理すれば、ダイオキシンが出ないこと 分かってるんだから、もう少し、何か別の対処の仕方あるんじゃないでしょうか。 何かをトコトン悪者にして、ワーッと騒いで袋叩きにするのは国民性か・・・・・。
添加剤
プラスチックというのは、結構いろんなものを混ぜて成型されています。
(カドミウム化合物なんかも安定剤のリストに載っていた記憶があります。 最近はまさか使ってないと思っていたら、この前、日本のゲーム機からカドミウムが検出され、ヨーロッパで輸入を止められた、というニュースがありました。 メーカーは、手違いで、ヨーロッパ向けでないのが行ってしまった、既に対応品を用意してあるので、問題は無い、と 何か納得出来ないコメントしてましたけど・・・
(カドミウム化合物なんかも安定剤のリストに載っていた記憶があります。 最近はまさか使ってないと思っていたら、この前、日本のゲーム機からカドミウムが検出され、ヨーロッパで輸入を止められた、というニュースがありました。 メーカーは、手違いで、ヨーロッパ向けでないのが行ってしまった、既に対応品を用意してあるので、問題は無い、と 何か納得出来ないコメントしてましたけど・・・
防蝕ライニング剤は、そんなものをあまり入れない習慣ですから、安心してください。
ポリオレフィン
時代は、今やポリオレフィン。 安全、リサイクル、その他いろいろで、ポリエチレンやポリプロピレンなど、いわゆるポリオレフィンが 注目を一身に集めています。
(King of Plastic の称号まで あるくらいです。)
(King of Plastic の称号まで あるくらいです。)
でも、防蝕材としてみた場合、一般的エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂やフラン樹脂等の熱硬化性樹脂と比べて、環境遮断性が小さいことが玉にキズです。
いづれ材料として改善されると思いますが、もう少し先のことでしょう。
いづれ材料として改善されると思いますが、もう少し先のことでしょう。
タールエポキシと飲料水試験
タール
石炭乾溜の溜出成分がタール、石油の蒸留残渣がアスファルトで、どちらもマックロケ(本当は、非常に濃い茶色)で外見は似ていますが、似て非なるものです。
ガンが、まだ正体不明の不治の病だった頃、ウサギの耳にセッセとタールを塗り続け、ガンを作ったと、どこかの研究者が発表して以来、タールはガン業界の不動のヒールというイメージが定着しました。微量の含有成分であるベンツピレンが、その発ガン物質であると特定されています。
このタールを エポキシ樹脂と混ぜたものが タールエポキシです。
混合比は、まちまちですが最大40:60位まで加えます。(40がタール)
混合比は、まちまちですが最大40:60位まで加えます。(40がタール)
加える理由・・・エポキシと相溶性が良く、耐熱性と耐溶剤性を除き、性能を落とさずに(あるいは性能をUPさせて)大幅なコストダウンができるからです。
(なんたって、ただ同然に安い!塗膜としての性能も悪くない、というより良い!
具体的には、吸水しない、酸やアルカリで劣化しない等、専門的にはいろんな理由があります。)
(なんたって、ただ同然に安い!塗膜としての性能も悪くない、というより良い!
具体的には、吸水しない、酸やアルカリで劣化しない等、専門的にはいろんな理由があります。)
この タールを混ぜるテクニックは、世界中で、アッという間に大流行しました。
安いタールに高いエポキシをチョッとだけ混ぜた粗悪品も多分出回ったのでしょう。
先述のMAX40%という規制は、たしかオランダ海軍だか、イギリス海軍だかのものです。(記憶が曖昧でスミマセン。)ただし、こんな数字自体には、厳密な意味はありません。規制や規則というものは、所詮一般論の世界の話です。
安いタールに高いエポキシをチョッとだけ混ぜた粗悪品も多分出回ったのでしょう。
先述のMAX40%という規制は、たしかオランダ海軍だか、イギリス海軍だかのものです。(記憶が曖昧でスミマセン。)ただし、こんな数字自体には、厳密な意味はありません。規制や規則というものは、所詮一般論の世界の話です。
・・・で、こういった背景を持つタールエポキシから、はたしてベンツピレン等が溶出するかどうか?それが、この項のテーマです。
なお、こういった個性がバラツク対象を扱う場合、必ず、一般論と個別論の、二つの視点があります。つまり、無数のものの平均値、あるいは確率の話と、今、目の前にあるものに関する事実の話です。(この二つは、往々にして同じではありませんから、混同すると議論になりません。)
そして、ここでは、一般論としてお話しします。 つまり平均的、確率的話です。
先ず、結論を先に言います。
「出てるのか、出てないのか、私は知りません。」
なお、こういった個性がバラツク対象を扱う場合、必ず、一般論と個別論の、二つの視点があります。つまり、無数のものの平均値、あるいは確率の話と、今、目の前にあるものに関する事実の話です。(この二つは、往々にして同じではありませんから、混同すると議論になりません。)
そして、ここでは、一般論としてお話しします。 つまり平均的、確率的話です。
先ず、結論を先に言います。
「出てるのか、出てないのか、私は知りません。」
さて、遥か昔、水道屋さんたちは、タールエポキシが有害かどうか ということを、まじめに考えたようです。
飲料水タンクや水道管が錆びるのを防ぐため、タールエポキシで防ごうとしたからです。 その当時は、重防蝕といえばエポキシ塗料だったんです。
で、JWWA-K115という検査規格を作りました。
もちろん、この中にベンツピレンという項目はありません。
蛇足ながら、この種の検査というものは、ある特定の化合物を決め、それがあるかないか、どれくらい入っているか・・・という形で行います。
だから、項目にないものが、検出されることはありません。
K-115の場合、調べる項目は、フェノール類、エピクロルヒドリン、アミン、シアン、トルエンジイソシアネート、トルエンジアミン等となっています。
その他、味、臭気などの感応検査項目(非科学的っていう人もいるけど、ある意味でキビシイんです。これは。)のほか、有機物がらみのチェックとしては、残留塩素減量と 過マンガン酸カリウム消費量があります。 すべての有機物は、全部まとめてここにひっかかる。という考え方です。 いわば、有機物総量規制です。
飲料水タンクや水道管が錆びるのを防ぐため、タールエポキシで防ごうとしたからです。 その当時は、重防蝕といえばエポキシ塗料だったんです。
で、JWWA-K115という検査規格を作りました。
もちろん、この中にベンツピレンという項目はありません。
蛇足ながら、この種の検査というものは、ある特定の化合物を決め、それがあるかないか、どれくらい入っているか・・・という形で行います。
だから、項目にないものが、検出されることはありません。
K-115の場合、調べる項目は、フェノール類、エピクロルヒドリン、アミン、シアン、トルエンジイソシアネート、トルエンジアミン等となっています。
その他、味、臭気などの感応検査項目(非科学的っていう人もいるけど、ある意味でキビシイんです。これは。)のほか、有機物がらみのチェックとしては、残留塩素減量と 過マンガン酸カリウム消費量があります。 すべての有機物は、全部まとめてここにひっかかる。という考え方です。 いわば、有機物総量規制です。
ベンツピレンなども、もし出れば、有機物御一行様の一員として、ここにまとめられます。
さて、チェック項目について・・エポキシの検査なのに、何でイソシアネ-トやシアンを調べるの? と思われる方がいるかもしれませんので、少し説明をします。
樹脂の説明で、エポキシ樹脂はアミンで固めると書きましたが、市販のエポキシ塗料やタールエポキシには、イソシアネートで硬化させるものがあるのです。
(冬期、エポキシとアミンの反応が止まる程の低温でも、硬化させることができるというメリットがあります。)
種明かしすると・・・液状エポキシを2分子以上重合させると、固形のエポキシができます。 これを、溶剤に溶かしてアミンで硬化させるというのが、普通のエポキシ塗料です。 ところが、このように重合した分子は、結合部に水酸基(OH)ができます。
これをイソシアネートと反応させて固めるのが、イソシアネート硬化タイプです。
(それってウレタン塗料の範疇に入るんじゃないの?という疑問は当然出ますが)
・・ということで、シアンやイソシアネートが入っているんです。
(と思います。 本当かどうかは作った人に聞いてください。)
さて、チェック項目について・・エポキシの検査なのに、何でイソシアネ-トやシアンを調べるの? と思われる方がいるかもしれませんので、少し説明をします。
樹脂の説明で、エポキシ樹脂はアミンで固めると書きましたが、市販のエポキシ塗料やタールエポキシには、イソシアネートで硬化させるものがあるのです。
(冬期、エポキシとアミンの反応が止まる程の低温でも、硬化させることができるというメリットがあります。)
種明かしすると・・・液状エポキシを2分子以上重合させると、固形のエポキシができます。 これを、溶剤に溶かしてアミンで硬化させるというのが、普通のエポキシ塗料です。 ところが、このように重合した分子は、結合部に水酸基(OH)ができます。
これをイソシアネートと反応させて固めるのが、イソシアネート硬化タイプです。
(それってウレタン塗料の範疇に入るんじゃないの?という疑問は当然出ますが)
・・ということで、シアンやイソシアネートが入っているんです。
(と思います。 本当かどうかは作った人に聞いてください。)
現在、有害物質が出る、出ないに関わらず、タールエポキシを飲料水に使うことはあまりなくなりました。代わって、無溶剤ピュアエポキシを使うようになってきているので、k-115もK-138とかK-145といった 工法を意識した規格 に変わっています。 規格を、実際の工法にあわせて作ろう という趣旨のようです。
さて、タールエポキシからのタール成分の溶出の話に戻ります。
タールエポキシを塗った構造物の中に入ると、年数が経っていても、タール臭がします。 だから、何jかは溶出してるハズです。 ただし、何が出ているかは 不明です。
(先述のように、項目を決めないと検査はできませんし、溶出物の全種類を、細大もらさずに調べる、などというのは、コスト的に別次元の話になってしまうからです。
タールにも無数の品種がありますし・・・)
総量的には、飲料水試験をパスしたものであれば、ほとんど無視できるレベルですから、あまり心配するほどのことではないと思いますが、怪しい成分のデータが無い以上、口に入るものに接触させるのは、やめておく方が無難でしょう・・・(と思います。)
タールエポキシを塗った構造物の中に入ると、年数が経っていても、タール臭がします。 だから、何jかは溶出してるハズです。 ただし、何が出ているかは 不明です。
(先述のように、項目を決めないと検査はできませんし、溶出物の全種類を、細大もらさずに調べる、などというのは、コスト的に別次元の話になってしまうからです。
タールにも無数の品種がありますし・・・)
総量的には、飲料水試験をパスしたものであれば、ほとんど無視できるレベルですから、あまり心配するほどのことではないと思いますが、怪しい成分のデータが無い以上、口に入るものに接触させるのは、やめておく方が無難でしょう・・・(と思います。)
アレルギー
私自身は、全く平気ですが、樹脂に触ると(ひどい人は近くを通っただけでも)カブレる人が、何人かに一人の割合でいます。入院騒ぎになることもあります。
もらっている薬は、抗ヒスタミン剤らしいので、多分、アレルギーだと思われます。
私は、医者ではありませんので、立ち入ったことは言えませんが、経験的状況だけお知らせします。
もらっている薬は、抗ヒスタミン剤らしいので、多分、アレルギーだと思われます。
私は、医者ではありませんので、立ち入ったことは言えませんが、経験的状況だけお知らせします。
確率的に多いのは、エポキシ樹脂の硬化剤(アミン)にカブレる人のようです。
絶対数は少ないのですが、エポキシ樹脂(主剤)そのものにカブレる人や、反応性希釈剤にカブレる人もいます。
ウレタンのイソシアネートにカブレ、仕事中に救急車を呼んだ人も知っています。
絶対数は少ないのですが、エポキシ樹脂(主剤)そのものにカブレる人や、反応性希釈剤にカブレる人もいます。
ウレタンのイソシアネートにカブレ、仕事中に救急車を呼んだ人も知っています。
これらそのものに、カブレているのか、あるいは、不純物にカブレているのか、それらは不明です。
そういった防蝕用樹脂のカブレや毒性全般について調べたデータは見たことはありません。
何にせよ、人によりけりで、反応が全く違うものの(毒性?)を調べることは、原理的に無理なのかも知れませんが、使う側としては、何か異常を感じたら、あるいは一度カブレたら、その材料を別の物に変えるという注意はした方が良いと思います。体質によって、樹脂には、カブレることがある・・・と認識しておいてください。
何にせよ、人によりけりで、反応が全く違うものの(毒性?)を調べることは、原理的に無理なのかも知れませんが、使う側としては、何か異常を感じたら、あるいは一度カブレたら、その材料を別の物に変えるという注意はした方が良いと思います。体質によって、樹脂には、カブレることがある・・・と認識しておいてください。
漆にもほとんどカブレない体質の私でも、数ヶ月喘息患者になったことがあります。(病院に行かなかったので、本当は何患者だったのかは分かりませんが・・・)亜硫酸ガスの出ているところで、マスクもせずにライニングして、声が出なくなった状態で、数日後、今度は、DTA(ジエチレントリアミン・・・毒性が強いということで、現在使用禁止)硬化のエポキシ樹脂のライニングを行い、その後タンクを密閉して、2m先が見えない程のDTAの蒸気を発生させながら、もちろんマスクもしないで、徹夜で赤外線焼付けを行った結果です。
体を、過信するとロクなことになりません。
(ただし、上記の例は、ソテックの仕事ではありません。
我社は、勤労者にそんな無茶はさせません。)
(ただし、上記の例は、ソテックの仕事ではありません。
我社は、勤労者にそんな無茶はさせません。)